〜源仁物語・番外



  ☆番外編☆  〜源仁の夏の変物語〜


それは遠くむかしむかし、
とある京の都に"源仁"という青年がおったそうじゃ。

その若者。
とある物語の主役として
好色のかぎりを尽くして好き放題しておったそうじゃ。

これは、ちょっとそれの番外編。
あまりに過ぎる行動に、
彼が"島流し"にされたときの話じゃそうだ。。。







ざざぁ〜ん ざざぁ〜ん


寄せてはかえす波の音が
この俺の心も洗い流すようだ。


浜辺で水平線を眺める光源仁。
この浜辺に流れついて数日。
砂浜に愛しい姫君の名前を書いては、波に消される毎日。

まるで修行僧のように節度ある(性)生活をしている。

かもめの声を聞き、
近頃の自分の素晴らしすぎるほどの(性)生活を振り返ると、
思わずこぼれたため息の代わりに、潮風を肺いっぱいに吸い込んだ。


この数日にきっと俺はすごく人間的成長をした!
背中に漂うこの哀愁が、それを物語っているに違いない!

だから早く都に帰して!
早く姫君をこの腕に抱きしめさせて!!!




反省をしてみても・・・迎えはこない。
あまりにハメを外しすぎている、との朝廷からのお声に

「主人公だから、好き勝手やって当たり前じゃないか!
 これはベイブレードのパロディじゃない!
 俺が主人公の、源仁物語だ!」

だなんて、反論したが最後。
あれよあれよという間に小船に乗せられ、
島流しの刑に処せられるだなんて。

それも途中で船が沈んで、自力でこの島に泳ぎ着くハメになるだなんて。


まさか、
作者が続きが浮ばないから、番外編でも書いてみっか〜と思いついたとか(ちょっと本気)

結末が決まらなかったら、源仁が島流しの刑に処せられて、京に帰ることなく
姫君たちは平和に暮らしましたとサ、とかなんとかで終わらせればいいや、と
なんとも安易なことを考えて、源仁物語の連載を始めた(実話)


だなんて、馬鹿みたいな話で俺が島流しになっているわけではあるまい!
そうだ、そんな可能性はゼロだ!!!


どことなく漂う嫌〜な予感に身震いする源仁だった。

源仁が、すでに何回書いたか、何人書いたか分からない
愛しの姫君の名前を砂浜に書こうと腰を下ろしたとき、

遠くから鳴き声が聞こえてきた。



「うわ〜ん。やめろよぉ!!!」



何事だ!?


源仁が急いで鳴き声のする方に言ってみると、
そこには、亀が・・・fサングレの双子の片割れ。
弟の方が落ちていた。。。


・・・!?


こんな島にこんな愛らしい姫君・・違う。亀がいたなんて!!!

島の子どもたちに捕まっていじめられていたラウルを
源仁は助けることにした。


「こらこら、卑怯じゃないか。
 寄ってたかって、一人をいじめるだなんて。」

「うるせぇ!横からしゃしゃり出てくんなよ!」


威勢良く叫ぶ、島の子どもたちをよく見ていると、彼らは

まだ身体がムチムチしていて、
輝く生腕を美味しそうに露出させた衣装を着ていた頃の


カイの子分たちでした。



「君たちは、確かシェルキラーの・・・」


思わずもらした一言に

「俺たちを知っているのか?
 ならおとなしく退くのが賢明だって分かるだろう。」

バンダナを巻いて、やけに眉毛が野太い少年が言い放ちました。


「ほぅ。そんなことを言っていいのかい?
 俺は、カイをさんざん泣かせたこともあるんだぞ。」

・・・主に、寝具の中ですけど。


最後の一言は口には出しませんでした。



「なんだと!?あの、カイを?」

どんな想像をしたのでしょうか。


「とりあえず此処は見逃してやる。
 覚えてやがれ!」


心なしか、引きつった顔でシェルキラーの残党は散っていきました。



「覚えておいてもいいけど・・・あんまり俺の好みじゃないんだよなぁ。」


源仁の呟きと、亀ラウルだけがその場に残されました。



続く?

4/16





「さてと、君は確か、fサングレの弟くん・・ラウル君だったかな。
 ラウルの君・・ラウルの亀?
 まぁ、いいや。竜宮城に連れて行ってくれるのかい?」

シェルキラーの残党を追い払い、
怪しい笑顔で近付く源仁に
ラウルは身の危険を感じつつも、頭をかしげた。


「竜宮城?」


そっか・・・日本の昔話なんて知ってるわけないよなぁ・・・。
源仁が必死で「浦島太郎」の物語を聞かせると、
ラウルは何となく、理解したように肯く。



「・・竜宮城は無理ですけど、サーカスでしたら・・・。」


目を輝かせた源仁は意気揚々と
ラウルの腰に手をまわして、ウハウハと竜宮城を目指した。





ラウルに連れられて着いた先。
そこは『竜宮城』とかなり曲がった字で書かれた看板が掲げられたサーカス小屋のテントだった。

主人公@源仁の意向を叶えるために、急いで作成されたのだろう。


ちょっと目立ちすぎなんじゃないだろうか、と思えるほど目立つ
ステージのど真ん中に設置された席に座り、
目の前に広がる色とりどりの料理に舌鼓をうつ源仁。

なんとなく、非常食らしきものが多い気がしたが
そこは移動を重ねるサーカス団ならではなのかもしれない。


そして、食べ物を口いっぱいに頬張る源仁の前で披露される
鯛やヒラメの舞い踊り・・・いやいや、怪しげなピエロやウサギの舞い踊り。


源仁は『乙姫さま』を探して、周りを見渡した。
ちなみに、亀ラウルは、源仁の横で、源仁のお酒のお酌をしている。
そう、
さっそうと引き上げようとしたところを
「まぁまぁ・・」と源仁に引き止められたのだ。


キョロキョロとまわりを見渡しても、見当たらないfサングレ双子の姉、ジュリアの姿に
源仁は、

やはり彼女が乙姫役で、俺の相手をするために着飾っているのかな?と淡い恋の予感を抱いていた。

今晩は、ラウルとジュリアの二人セットで語り合うも素敵だなぁ・・と淡い変態の思惑も抱いていた。



宴会が最高潮をみせ、軽く酔っぱらった源仁は
酔いを醒まそうと、亀ラウルを連れてテントを出た。


「今宵はよい月だ・・・・。」



鈍く辺りを浮かび上がらせる月の光に
源仁はそっと京のみやこでの生活を思い出していた。

毎日、好き勝手にやっていたけど、
あのたわいのない生活は、とても大切な時間だったんだなぁ・・・
月を見上げれば

月の光のような神秘的な光を放っていた白虎の君の瞳を、

源仁にしがみつくようにして眠っていた青龍の君を、

月の冴え冴えとした光のように研ぎ澄まされた銀狼の君の色を、

パソコン機器に囲まれながらも、幸せそうに眠る才延天皇の寝息を、

月の中に浮かび上がる褐色の肌の猛牛の・・・(自主規制)

そして、悪態をつきながらも源仁を受け入れてくれる朱雀の君の姿を思い出す。


みんな、どうしているのだろうか。
元気にしているのだろうか・・・・


思わず遠い目になっていた源仁の顔を覗き込んできたラウルで
源仁が我に返った。


はっ!!いかんいかん。
こんな調子じゃ、すっかり老け込んでしまう。
俺は今夜も、爆転するぞ!!!



「ところで・・・君のお姉ちゃんはどうしたんだい?」


そっと、ラウルが怯えないように、優しく肩に手を回しながら聞くと


「こっちのテントで準備を・・・。」


と一つのテントを指差す。


そうかそうか♪
何も準備することなんか、ないのになぁ!

源仁が、ラウルの肩を捕まえたまま意気揚々とテントに入った。





「ゴーーーーー シューッ!!!」

テントに足を踏み入れた瞬間、響き渡る掛け声。

反射的に源仁も貝独楽を構え、シュートすると
相手の姿を見極めようと、体勢を整える。


「トレビア〜ン。
 さすが、元BBAレボリューションの監督ですね。
 反射の良いことです。」


そこには、ビラビラとレースのふんだんに使われたブラウスを着て
立つロメロの姿が。


「どういうつもり・・ですか。
 fサングレの、ロメロ監督。
 ・・まさかっ・・・・」


何となく、嫌な予感がして。
でも聞かないわけにはいかなくて。


「えぇ。この私が、この物語の『乙姫役』ですよ。
 今宵は、熱い一夜を過ごしましょう。」


ロメロのはるか後ろの方、
影から二人を見守るジュリアとラウルの姿が見える。
今から始まるであろう、バトルに目を輝かせている。



「丁重に、お断り申し上げます。
 それに・・・子どもに見せるのにはあまりに不道徳なのでは?」


今までの行いを棚に上げて、源仁がいけしゃあしゃあと言い切る。


俺は、可愛い姫君が好き!なんだ!
監督同士でなんか犯ってたまるか!犯られてたまるか!

それは何とか口にしないことにした。。。




「じゃぁ、今晩は、不道徳なことはやめにして、
 純粋に貝独楽バトルを楽しみましょう。」



『じゃぁ』って何だよ!という源仁の突込みをかわしつつ



ロメロの攻撃。

「トレビア〜ン!!!!」

地中より出でたる数本もの触手・・・バラの蔓が
源仁の足をつかみ、動きを封じようとする。



「くっ!!!」


貝独楽を巧みに操り、その蔓を何本か断ち切るものの
確実に源仁の下半身の動きを奪おうとしている触手。


「〜〜〜これのどこがいかがわしくないというんだ〜!!!!!!」


源仁の涙の叫びが夜の帳を切り裂いた。










不眠不休の戦いの末、
源仁は何とか終わらせたバトルにヘトヘトになっていたそうじゃ。
ぼんやりとしたまま元の浜辺に連れて帰ってもらい
気が付くと、
横に置かれていた、玉手箱らしき箱が置かれていたそうじゃ。



まさか煙が出て、お爺さんにはなるまいと源仁も思ったそうじゃが
何が起こるか分からないが、この物語の恐ろしいところ。

十数メートル離れた岩陰からシュートをして、箱を叩き割ってみれば

ヒラヒラヒラと舞い落ちたのは、宴会の請求書が一枚きりだったとさ。



■源仁の経験値■
 触手プレイを知ったため、変態度UP


     

  めでたし めでたし  +終われ+

5/2


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