Bad luck!


「カイーーーーーーーーーーーvv」

「♪」
 
 

突如、大声で名前を呼ばれた。

廊下を歩いていた俺の眉間にしわがよる。

しかし足を止めてはならない。

足を止め振り向けば自分が「カイー(略)vv」であることを周りに知られてしまう。

ただでさえあいつの声が途方も無くでかく、

「カイーーーーーーーーvv「カイーーーーーーvv」「カイーーーvv「カイーvv」

狭い廊下に反響し、こだまのように残っているのだ。

それとともに徐々に大きく聞こえてくる走る音。

一体あいつはどこから俺の名を呼んだのだろうか。

周りの通行人がキョロキョロしているのが分かる。

確実にでかくなる足音。

俺の頭の中で危険信号が点滅する。

俺はドランザーを構え、思い切って振り返ると同時にシュートする。

 
「行けっ、ドランザー!!!」
 

ドランザーは唸りを上げそいつに、

今にも俺に飛びつこうとしている笑顔のレイに向かっていく。

ドランザーがレイにヒットするかと思われた瞬間

レイの瞳がキラリと光り、空中で体をひねりドランザーをかわすと

そのまま俺の上に降ってきた。

 
・・さすが猫科。と思ったのもつかの間

俺はレイに抱きしめられる。

そしてそのあまりの衝撃にそのまま2人で倒れこむ。

何とか頭は死守したが、しりもちをつき、痛みに唸る俺を気にすることもなく

レイは俺を抱きしめ、ほお擦りをし

「カ〜イ〜〜vvと、のどを鳴らして甘えている。

 
「重い!どけろ、レイ!!!」
 

文句を言った瞬間、先ほど俺が放ったドランザーがシュートの勢いを保ったまま

こいつの後頭部に激突した。

「グォ。」

白目を剥きかけて俺の上で別世界に行ったレイの首根っこをセルゲイがヒョイとつまみ上げ、

俺の上からどかす。

それと同時にユーリが

「無事か?カイ。」と声をかけてきた。

立ち上がった俺の服の埃をパタパタと払う。

「あぁ。」

 
「こいつは?」

ボリスの声でユーリはセルゲイにつままれているレイを一瞥すると言った。

「愚か者め。生ごみにでも捨てておけ。」
 

レイの体がゴミ箱の上に移動したとき、レイが目を覚ました。

 
「カイ!!!」
 

自分を掴むセルゲイの手に必殺☆猫パンチを繰り出すと

床に着地する。

再び俺に抱きつこうとしたレイを、ユーリが遮った。

「・・・何だよ。お前(怒)」

不穏な空気が辺りに流れる。

 

そっと立ち去ろうとした俺のマフラーを

ユーリの隙を突いたレイが掴み引き寄せた。

「カイは俺のだ! もう唾付けちゃったもんね!!!

レイは左手で俺を抱きしめ、

自分の唇につけた右手の人差し指を俺の唇につける。

  間接キス

・・・何を今更。

だが(何故か)思いのほか固まるユーリ。

ユーリに対して「俺はレイのもの」宣言ができたことで

満足したレイは

「また後でなーカイvvv

ともう一度、俺にほお擦りをするとご機嫌で去っていく。

  

視界のすみにこっそりと逃げていくボリスとセルゲイが見える。

そして横から漂ってくる冷気。

横を見ると、(バトル中でもないのに)妖怪化するユーリが立っていた。

 

・・あ〜、頭イタい。

俺の静かな生活はどこへ行ったのだろう・・・



カイ視点なこのブツ。
ギャグ風味で。

・・・絶対すでに誰かが書かれてそうなネタですね。
今回のアニメ感想といい、これといい、最近なかなかベタなネタばかりな気が。
えっ?ベタ過ぎて誰もやってないって?
それならいいのだが (オイ;)

何をUPしようかな〜とネタ帳(すでにゴミの束とも言う)を漁ってたら出てきたので。
おそらく書いたのは5月の20日過ぎ。
うん、裏に日記用の落書きが残ってたから(笑)

もち Bud luck!はカイ様へ。
今回、初めてボリスとセルゲイの名前出したよ。


2003.6.4

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